女性のための鍼灸治療院「かおり&やすらぎ」|東京都渋谷区

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かおり&やすらぎ

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8.リンパ論はいったん封印しよう

06016
アロマセラピストの技術を、
職人技までスキルアップする方法


『解剖生理学編:その4』

具体的な筋肉解剖へ進む前に、
私から一つ提案したいことがあります。


『詰まったリンパの流れを良くして・・・』
という、
リンパ論はいったん封印しませんか。


たしかにリンパ液の流れは大切です。

「汚れて詰まった流れをキレイすると
老廃物が流れて、身体が軽くなります♪」

と聞くと、とても爽快感がありますが、
実際のところ、人間はそこまで単純ではなく、
いろんな器官の共鳴で身体を動かしています。

説明しなれたフレーズに頼り切ってしまうと
もうそれ以上の新しい知識は入っていきません。

”リンパ論以外”で説明するならどうすればいいか
ということを考えるようにしましょう。

木を見て森を見ず。

ということにならないように、
大道の「生理学」に照らし合わせて、
リンパ液と血液の全体像を、
ここでギュッとまとめて簡単に説明します。

06021

全身を循環する視点でみると経路は、
大きく分けて3つ
1.動脈(血液が出ていく経路)
2.静脈(血液が戻る経路)
3.リンパ管(リンパ液が戻る経路)



ここで重要なのは、
心臓から出ていくのは1経路(動脈)に対して、
全身から戻ってくるのは2経路(静脈とリンパ管)
ということです。

なぜ戻るときだけルートが2つ
あるのだと思いますか?

全身から戻ってくるときの体液には
各細胞から回収された二酸化炭素や、
老廃物が入っています。

2つあるルートのうち
「静脈」は心臓と直接つながっているため、
害がありそうな物質を
入れるわけにはいきません。

そこで闇ルート「リンパ管」の出番!
(笑)

静脈には入れられない怪しげなものを、
いったんリンパ管に入れて、流れを迂回させます。

06022

リンパ管の途中には「リンパ節」という検問所が
多数あり、白血球が待ち構えているので、
異物だとわかれば、戦いが起こり処理されます。

感染症などでは、ウイルスvs.白血球の戦いで
たくさんのリンパ節が戦場と化し、腫れます。

お医者さんは、そんな腫れた首など触って、
体調を確認している...というわけです。


さて、
リンパ管は老廃物が流れている
と聞いてしまうと、
「むくみ」はリンパ節が詰まるからなんじゃないか
と思われてしまいそうですが、

ガンの手術でリンパ節を切除したり、
病気やケガでない限り
リンパ管が詰まってむくむなんてことは、
そうそう起きません。



全身から心臓方向へ戻る体液の比率は、
約9割が静脈
リンパ管は約1割程度です。

それに、検問所&処理場の役割をしている
リンパ節なので、
そうそう早く通過してもらっちゃ困るんです。

リンパ液は動脈のように
速くは流れない。

ゆっくり流れる必要がある。ゆっくりでOK。

では、管が詰まっているのでなければ
どうして「むくみ」がおきるのでしょう?

それは
体液を流すときの動力源である
筋肉のポンプ力が弱まっている
からです。

05288

全身からもどってくる2経路(静脈・リンパ管)は、
どちらも筋肉のポンプ力を使って動いています。

筋肉に柔らかさがなくなり、
縮んで押し出すポンプ力が弱まると、
重力に逆らって体液をもどす
ことができなくなり、むくみが起きます。

ついつい
リンパ液の流れに意識が向きますが、
どちらかというと、全体の9割もある
静脈の流れの悪さの方が深刻

さいわいにして、
静脈とリンパ管はとても近くにあるので、
その周辺の筋肉をアプローチすることで、
弾力が回復して、ポンプ力がアップします。

「むくみ」には
筋肉が関係している
ということを覚えておいてください。


次へ
病気と健康体を区別しよう

 

9.病気と健康体を区別しよう

06013
アロマセラピストの技術を、
職人技までスキルアップする方法


『解剖生理学編:その5』

筋肉が「コリ」や「痛み」だけでなく
「むくみ」と「冷え」にも深い関係がある
とお話しましたが、

筋肉へのアプローチで症状が改善できるのは
あくまで健康体、
未病(病気ではない不健康な状態)
です。

「むくみ」「冷え」には
さまざまな原因が考えられます。

病気が原因で症状があらわれることも、
身体の各器官が、少しずつ機能低下し、
不調が重なっておきているケースもあります。

セラピストという職業は、
健康な方にとっての身体の相談窓口。
「コンシェルジュ」のようなものです。

健康に不安を感じたときに、
気軽に話を聞いてもらえるのは
施術を受ける方にとって安心剤となります。

決めつけず、
いろんなケースがあることを念頭において、

話に向き合ってください。

おかしいな?と思ったら、
まずは病院で診てもらって
「健康体」の
お墨付きをもらうよう、おすすめしましょう。

「もしも重篤だった場合、
こんな病気の可能性もあるんだ」という
病的なケースを知識として知っておく
のも大切。


「むくみ」と「冷え」
施術対象外となるケースの概要を
ここで説明します。

未病(病気ではない不健康な状態)の
むくみと冷えの要因もあわせて書きますので
見比べてみてください。


--------------------------------


『病気が原因のむくみ」
06014

・心臓の病気
心臓の機能が低下すると、十分な圧力で
血液を送り出すことができず、血液の流れ
が停滞
します。血管中に血液が異常にたまると
水分がにじみ出て、むくみを引き起こしす。
また、腎臓へ送られる血液量が少なくなると
むくみが出てきます。

・腎臓の病気
腎臓にはナトリウムの量を調整する働きがあり
病気になると機能が低下し、体内のナトリウム
が多くなり
ます。ナトリウムは水分を引き付け
血液の量が増えるため、むくみが起こります。
また、血液をろ過する機能が低下し、血液中の
たんぱく質が排泄されてしまい、水分が血管内
へ戻りにくくなり、むくみが生じます。

・肝臓の病気
水分のバランスを左右するアルブミンという
たんぱく質が肝臓でつくられています。
肝臓が機能低下すると、血液中のアルブミン
が少なくなり
、血管内に水分が回収されず
細胞の中にたまったままになり、むくみます。
また、肝臓と腸を結んでいる血管の流れが
滞り、お腹がむくんだ感じにもなります。

・その他の病気
妊娠高血圧症候群、橋本病、バセドウ病
リンパ浮腫(乳がん、子宮がんでリンパ節
を切除した後に起こりやすい症状)
薬剤性浮腫(ホルモン剤、降圧剤など)


05286
『未病のむくみ』の要因
※未病・・・病気ではない不健康な状態

・睡眠不足
・栄養の不足や偏り
・体をうごかさない
・ホルモンバランスの乱れ
・アルコールの取りすぎ
・塩分の取りすぎ
など

---------------------------


『病気が原因の冷え』
06015
・心臓の病気
心臓は一定のリズムで、血液を全身に送り出す
役割をしています。ポンプ力が弱まったり
リズムが狂ったりすることで、十分な血液を
送り出せなくなる
と、末梢の血流が不足して
冷えてしまうことがあります。

・甲状腺の病気
甲状腺ホルモンは、新陳代謝を促したり
熱をつくる働きを高める作用があります。
分泌が不足すると、全身の機能が低下して
体全体が冷えて寒くなります。

・血液の病気
貧血になると、全身に十分な酸素が
いきわたらなくなり
、めまいやふらつき
が起きるほか、血流も悪くなるため
手足に冷えを感じるようになります。

・免疫の病気
全身性エリテマトーデス、強皮症など。
免疫システムの異常で、
いろいろな臓器や器官に炎症が起こると、
機能が低下して冷えをおこします。


05285
『未病の冷え』の要因
未病・・・病気ではない不健康な状態

・栄養の不足や偏り
・筋肉量の不足
・体を動かさない
・消化器系の機能低下
など


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10.解剖学はこの本で学べ

 

10.解剖学はこの本で学べ

05262
アロマセラピストの技術を、
職人技までスキルアップする方法


『解剖生理学編:その6』

筋肉の解剖は、
人の身体をあつかう職業であるかぎり、
避けて通れない分野です。

セラピスト資格の授業で
解剖生理学を勉強したとは思いますが、
それはあくまでアロマセラピスト試験用。

筋肉に関する授業数は、圧倒的に少ない
状態だと思っていてください。


080501


さて、
心の準備はいいですか?

ここからエンジンをふかして
「勉強したことはある」という現状レベルから

筋肉解剖を「施術に使える知識」へ
レベルアップさせていきます。


まず最初に、
体表から順にどのような構造になっていたか
断面図を思い出してみましょう。

筋肉は、
体表からどのくらいの深さにある

と思いますか?

07212

セラピストの解剖で学んだのは
表皮 ⇒ 真皮 ⇒ 皮下組織
までですが、筋肉はその下に存在します。

皮下組織は、別名「皮下脂肪」のこと。
筋肉は、ぷよぷよした脂の下にあり、
筋膜という薄い膜に包まれています。

筋肉だけでなく筋膜も、
じつはコリに関与しているということが
分かっていて、最近では
筋膜用のストレッチ法「筋膜リリース」
なんかも有名になってきました。
(※これはまた別の機会に利用法を説明します。)

さて、
ここで注意してもらいたいことが一つ。

上記のように簡易的に描かれた断面図を見みると、
筋肉は、脂肪の下に1枚しかないように感じますが、
じつはそんな部位のほうが、めずらしい。

多くの場合
筋肉は、何枚も重なっています。

07214

たとえば、
上記イラストの〇印の部位。

多くの人が肩こりを感じて
触るとゴリゴリする場所
「肩甲骨の上角(骨の上のきわ)」
で見てみましょう。

下記のように
何種類もの筋肉が重なっています。

07213

肩こりで代表的な筋肉と言ったら
「僧帽筋」なのですが、
これだけが縮んで硬くなっているなら
軽症といえます。

ストレッチをしても改善しない場合、
下の層の筋肉も、硬く縮んでいる

可能性が高い。

へたすると、
一番下の筋肉からすべて硬くなっていて
肩が盛り上がって見えることもあります。

このイラストは便宜上、
筋肉や脂肪の厚みが均等ですが、
部位によっては筋肉が、ぶ厚かったり、
臀部のように皮下脂肪が多いこともあります。

重なる筋肉の枚数も、部位によって違うので、
深い部位にある筋肉は、ハリなど医療器具を
使わなければ、さすがにアプローチは難しい。

とはいえ、これだけは
はっきり言えることがあります。

2~3枚目の筋肉までなら、
手でもアプローチが十分可能

です。

06184

ということで、
表層から2~3枚目までを、
これから覚えていくことになります。

どんなテキストを使ってもOKですが、
一つずつの筋肉だけでなく、
重なり具合を覚えるのも重要なので
私がおすすめする本はこちらです。

『クリニカルマッサージ』医道の日本社
著:James H.Clay/David M.Pounds
監訳:大谷素明

筋肉が表層から順番に、
イラストで1枚ずつ剥いてあるので
重なり具合がわかりやすい本です。

また、実際の身体の写真に、
筋肉のイラストが合成してあるのも
イメージしやすいくて、おすすめなところ。

本のイラストを何度も見て、
最終的には、
施術を受ける方の身体つきを見たときに、
脳内で筋肉がイメージ合成できるように

知識をレベルアップしてきましょう!


次へ
11.覚えるべき筋肉は、これだ!

 

11.覚えるべき筋肉は、これだ!

06051
アロマセラピストの技術を、
職人技までスキルアップする方法

『解剖生理学編:その7』

筋肉は皮下脂肪の下にあり、
数枚重なっているということを学びました。

セラピストは、直接身体を触って、
筋肉へアプローチすることになるので、
筋肉層の1~2枚目にある筋肉
(部位によって3枚目までの筋肉)
を、あつかえるようにしましょう。

それでは、いよいよ
具体的な筋肉を、覚えていきますよ。

骨格筋の総数は数百ありますが、
最優先で覚えるべき部位は
体幹!

とくに
背中側にある筋肉
です。

多くの人が疲れを感じながらも、
自分ではマッサージできない部位。

そして、
だれもが感じたことがある症状
「首肩コリ」「腰の張り」「腕の疲れ」
「眼精疲労」「足腰のだるさ」
などに直結している筋肉を
覚えてしまいましょう。

では、筋肉解剖を
「施術に使える知識」へスキルアップ

するために、これからあげる
15種類(+5種類)
を、腹をくくって覚えていただきます。

07283

<即戦力になる15の筋肉>
・からだの表面にあり、触れやすい
・施術アプローチが、わりあい簡単


1.僧帽筋(そうぼうきん)
2.板状筋(ばんじょうきん)
3.半棘筋(はんきょくきん)
4.肩甲挙筋(けんこうきょきん)
5.菱形筋(りょうけいきん)
6.棘上筋(きょくじょうきん)
7.棘下筋(きょくかきん)
8.小円筋(しょうえんきん)
9.大円筋(だいえんきん)
10.広背筋(こうはいきん)
11.脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
12.多裂筋(たれつきん)
13.大殿筋(だいでんきん)
14.中殿筋(ちゅうでんきん)
15.大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)

-----------

<さらに腕をあげるための5筋肉>
・多くの症状を緩和するときに必要
・施術にはテクニックが必要


1.胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)
2.肩甲下筋(けんこうかきん)
3.腰方形筋(ようほうけいきん)
4.小殿筋(しょうでんきん)
5.梨状筋(りじょうきん)


06252


覚えてもらいたいのは、名前ではなくて
「起始」と「停止」
筋肉の始まりと終わりです。

筋肉ごとに一つ一つ覚えることになりますが、
これがすべての核です。

・疲労した筋肉の見立て
・日常で気を付けるべき姿勢
・必要なストレッチのアドバイス
・筋トレ方法の提案

などは、
起始と停止を覚えているからこそ、
自在にあつかって提案ができます。

地道にコツコツですが
15種類+5種類 だけです。

これを覚えるかどうかで
雲泥の差がでます。

エイヤー!
と覚悟をきめてやってしまいましょう。


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12.筋肉の覚え方のコツ

 

12.筋肉の覚え方のコツ

07281
アロマセラピストの技術を、
職人技までスキルアップする方法


『解剖生理学編:その8』

アロマトリートメントの技術力アップ
に欠かせない勉強として、
15種類(+5種類)
の筋肉を、学びなおすことになります。

覚えるのは、筋肉の
「起始」と「停止」

言い換えると
筋肉がどこからどこまでついているか
を覚えるということです。

起始と停止を覚えるだけで
その筋肉の作用や動き、
「どんな動きをするときに使うのか」
「硬くなるとどんな姿勢になるのか」
などが、
一緒に理解できるようになります。


07311

まず、背中にある代表的な筋肉
『僧帽筋』を例に説明します。

いきなりですが(笑)
僧帽筋だけは、ちょっと特殊です。

広範囲で動きが部位によって違うので
この筋肉だけは下記3つに分けて
①僧帽筋上部(上部線維)
②僧帽筋中部(中部線維)
③僧帽筋下部(下部線維)

個々に1つの筋肉として覚えましょう。

えっ!15+5個の筋肉じゃないじゃん!
...って思った方。当たりです(笑)

だから15+5個ではなく、
15種類+5種類と書いたんですよん。
がはは。

まぁまぁ、そうはいっても
たいした数は増えませんから、
ご安心ください。

ではさっそく、
テキストを開いてみてみましょう!

『①僧帽筋上部』を例に
覚え方を説明していきます。


07312

起始と停止を見てみると、
上記のように書いてあります。

「後頭骨」は聞き覚えのある骨の名前ですね。
では、どのへんにあるかわかりますか?

「項靭帯」とはなんでしょう?

もし、知らない名前が出てきたら、
イラスト写真で部位を確認したり、
用語の確認を必ずしましょう。

ちなみに
「項靭帯(こうじんたい)」とは、
頚椎の棘突起(背面中央のでっぱり)の
上にある靭帯(線維性膜)で、
後頭骨(頭蓋骨の後下方の骨)から第7頚椎
まで、後ろ首の中央を縦に走る靭帯です。


テキストには写真があるので、
必ず見てイメージをつかみましょう。

著作権の関係で
ここでは別のイラストを用います↓

08033

後頭骨(紫色の線)と、項靭帯(青色の線)
ここが僧帽筋上部の「起始」です。

この絵も、テキストの画像も
左側にしか僧帽筋がありませんが、
右側にも同じ筋肉がありますので
お忘れなく(笑)

解剖学の画像(イラスト)は
その下の層に何があるかも分かるように
たいがいは、左右どちらかが、
一枚めくった状態になっています。


では次に
「停止」を確認しましょう。
「鎖骨の外側3分の1」とありますが
このイラストではわかりません。

別の角度のイラストで確認します。
(テキストには別角度も載っています)

08041

鎖骨の外側3分の1(緑色の丸印)が
僧帽筋上部の「停止」です。

お気づきでしょうか?

背中にある筋肉が、
じつは身体の前側まで付いている
ということです。

僧帽筋を施術をするときは、
これを踏まえて、
鎖骨の外側まで行います。

筋肉のすみずみまで施術している。
最後の一押しまで手を抜かない。


という積み重ねは、
技術の差として結果に表れます。

ねらった筋肉を、
すみずみまでトリートメントするには
筋肉の名前だけでなく、

「起始」と「停止」という
どこから始まって、
どの部位まで付いているか

を知っているからこその技術です。

この機会に、もう一度丁寧に
筋肉の付き方を確認してみてください。


次へ
13.起始と停止で「動き」がわかる。

 

13.起始と停止で「動き」がわかる

08043
アロマセラピストの技術を、
職人技までスキルアップする方法

『解剖生理学編:その9』

スキルアップのために、
解剖生理学を学び直ししています。

「起始」と「停止」を覚えると、
筋肉のすみずみまでアプローチができる
(トリートメント技術の差として表れる)

というお話をしました。

さらに、それだけではなく、
起始と停止を覚えると、
筋肉の「動き」も一緒に頭に入ります。

ここで、起始と停止の働き
生理学をおさらいしましょう。

08044

起始は、筋肉の始まる部位ですが、
別な言い方をすると、
からだの中心に近い側」で
動かすときに固定して軸になる側です。

停止は、筋肉の終わる部位であり
からだの中心から遠い側」で
自由に動かしやすい側です。

筋肉はゴムのような弾力線維
でできているので
脳からの指令があると縮む
という動きをします。

では、
ここでクイズです。

筋肉はどの方向へ向かって
縮むのでしょう?

3秒でお答えください。
ぴ、ぴ、ぴ~ん!

正解は...前記の通り
固定軸にする側、自由に動かす側
がカギになります。

多くの日常動作の場合、
背骨に近い起始側を固定軸にして
体を動かすので、
停止側が起始方向へ縮んでくる
という動きをします。

なので、
僧帽筋上部の動きはどうなるかというと
下記の緑色の矢印方向に縮んでくる
ということになります。

08045

僧帽筋上部の停止「鎖骨の外側3分の1」が
起始「後頭骨と項靭帯」へ向かって縮む。

つまり、
肩を上げるという動作の時に
僧帽筋上部を使っています。

テキストを見てみましょう。
作用の欄に書いてありませんか?

08046

医療系、スポーツ系の学生さんが
筋肉の解剖生理学を勉強するときは
作用も丸暗記というのが多いのですが(笑)

起始と停止が、しっかり分かっていれば、
「停止が起始方向へ縮む」法則
を思い出すことで、
筋肉の動きも芋ずる式で出てきます。

起始と停止の勉強は
筋肉のすみずみまでアプローチできる
だけでなく、
筋肉の動きも導き出すことができる
という一石二鳥の学習なんです。


次へ
14.起始と停止で「運動療法」もわかる


 

14.起始と停止で「運動療法」もわかる

08048
アロマセラピストの技術を、
職人技までスキルアップする方法

『解剖生理学編:その10』

解剖生理学の学び直しでは、
主要15種類+5種類の筋肉
「起始」と「停止」
を覚えることをおすすめしています。

なぜなら...
筋肉の端がどこまでか分かるようになるので
すみずみまでマッサージすることができる
ということと、

起始と停止が近づく
という決まった動きのパターンから
「筋肉の作用」もわかるようになる
という話をしました。

さらに、おまけはつづきます。(笑)

起始と停止を覚えると、
「筋トレ」や「ストレッチ」といった
運動療法までわかるようになります。

それでは具体的に説明しましょう。

----------

08072

<筋力トレーニング>
筋肉を鍛えて太くする
ことを目的とした運動療法

筋力や持久力がつくだけでなく
熱生産量もアップするので身体を温め
代謝量が増えるので脂肪を燃焼しやすくなり
痩せやすくすることができます。

起始と停止が分かれば
ねらった筋肉をトレーニングすることができます。

筋トレの大原則は
『負荷を加えながら筋肉を収縮させる』
です。

筋肉の動きは「収縮」のみなので、
 「その筋肉を動かす」
と意識していればOKです。

起始と停止を覚えていれば、
「停止が起始の方向へ縮む」という法則
で考えると、筋肉の動きはおのずとわかります。

あとは負荷をどうするか...
ダンベル? 身体の重み? 回数を増やす?
などを考えれば終わりです(笑)

例えば、
僧帽筋上部を筋トレする場合
作用は「肩を上げる」でした。

08045

この動作をするときに負荷を掛ければ
筋トレになります。

負荷をダンベルにしたとすると
こんな感じです。

08047

腕だけでも重さはあるので
ダンベル無しでも筋トレにはなります。

僧帽筋上部を鍛えると
・首~肩甲骨付近が引き締まる
・重い荷物を背負っても疲れない
などの身体づくりができます。

----------------------

08071
<ストレッチ>
筋肉の柔軟性を回復させる
ことを目的とした運動療法

硬くなった筋肉が柔らかくなるとともに、
筋ポンプ作用が回復し、むくみにくくなります。
また、縮んで短くなった筋肉の長さが回復し
身体の可動域が広がるので動きが大きくなり
代謝力がアップし痩せやすくなります。

これも、起始と停止が分かれば
ねらった筋肉をストレッチできます。

ストレッチの大原則は
『筋肉を引っ張って伸ばす』
です。

ですが...
こんどは、ねらっている筋肉を
意識して動かしてしまうと
「収縮してしまう」ので応用が必要(笑)

こんどは逆転の発想で、
ストレッチしたい筋肉の力を抜いて、
「起始と停止の距離を広げる」
という動きをします。

起始と停止のどちらか、または両方を
引っ張って伸ばすという行為です。

08046
例えば、
僧帽筋上部をストレッチする場合

起始の「後頭骨と項靭帯」の付近と
停止の「鎖骨の外側3分の1」の付近を
引っ張って、間にある筋肉線維を伸ばす
という動きになります。

具体的には、
肩や鎖骨を下に引き下げながら、
首を曲げる


こんな感じ↓

08073
これは、自重(自分の腕の重さと重力)
を使って、肩を下に引っ張るやり方。

もっともポピュラーなやり方なのですが、
患者さまたちから「あまり効かない」
という声をいただいたので(笑)

より効くストレッチを
この応用で私は考えてみました。

健康コラムにも載せていますが
下肢を手で持つことで、
床方向へ引っ張る負荷を加えた
さらに肩を引き下げるやり方です↓

05122
詳しくはこちらをご覧ください。

僧帽筋上部をストレッチすると
・首や肩の動きがスムーズになる
・眼精疲労や首肩コリがなくなる
・顔のむくみが取れやすくなる

などの効果が期待できます。

次へ
15.起始と停止で「マッサージ」もわかる


 

15.起始と停止で「マッサージ」もわかる

06098
アロマセラピストの技術を、
職人技までスキルアップする方法


『解剖生理学編:その11』

筋肉は「起始と停止」が重要で
これを覚えると、たくさんのことに使えます。

1.すみずみまでマッサージできるようになる
2.「筋肉の作用」もわかるようになる
3.「筋力トレーニング」が提案できる
4.「ストレッチ」が提案できる

まだまだ、おまけは続きます(笑)

最大のメリットは、
マッサージの仕方もわかる
ようになるという点です。

そのためにも、
筋肉がどのようにできているのかを
拡大図で思い出してみましょう。
08174

筋肉は、筋線維束という
細長い筋線維(筋細胞)が多数集まって
束になったもので構成されています。

筋線維が一番小さい単位ではありません。
その中には、さらに細い筋原線維(1~2μm)
が同じようにぎっしり並んで詰まっています。

束をたくさん集めて、大きな束にして
それをたくさん集めて、もっと特大の束にして...

まるで太巻きを作るような?感じで(笑)
線維の束で筋肉は出来上がっています。

ここで注目すべきポイントは
束にするときに、
めちゃくちゃに寄せ集めたのではなく
筋肉の線維は方向が整っている
という点です。

08172
線維には方向があるわけですから
マッサージも線維の方向に沿って行います。

皮膚の表面をなでるような軽擦法なら
どんな方向にさすっても問題はないのですが、

筋肉を引き伸ばすような強擦の場合は、
この方向を無視すると、筋線維が切れます。

俗にいう
揉み返し
というやつです。

08173

筋肉には動く(=縮む)方向があり、
起始と停止を結んだラインが
筋線維の方向性です。


上記イラストで見てみると、
左右の動きは、線維の方向と同じなので
正常な筋肉の伸び縮みの動き
といえます。

でも、
縦(青線)の動きは、
線維を切るような動きになるので、
筋線維にダメージがあるのはもちろん、
その中にある筋原線維(1~2μm)が
損傷してしまいます。

こんなマッサージをされたら
「コリは、ちっとも柔らかくなっていない
のに、重だるさだけが残る。」
なんてことになります。

08181

解剖学の本にある写真やイラストには
必ず筋肉線維の方向が描かれています。

上記イラストなら
筋肉の中に、白い線が見えませんか?

この白い線維、つまり
筋肉の起始と停止を結んでいる
線維の方向が重要。

どの筋肉に関しても、
この線維の方向に動かしていれば
正常な伸び縮みの動きなので、

マッサージするときの強さや速度を
コントロールさえしていれば
身体に負担をかけることはありません。

では、具体的な例として
「僧帽筋上部」を強擦する場合
どの方向へマッサージしたらいいのか
を見てみましょう。

08046

僧帽筋上部の
起始は「後頭骨と項靭帯」
停止は「鎖骨の外側3分の1」でした。

起始と停止を結ぶラインが線維の方向
でしたから、イラストで確認すると...

下記のピンク線内の白い線維が、
僧帽筋上部の筋線維の方向
を示していることになります。

08182

強擦は、
起始と停止の間を引き伸ばすように
アプローチする手技なので、

僧帽筋上部をマッサージするときは
下記のような方向になります。

06054

このように、
筋肉の起始と停止を覚えると

1.すみずみまでマッサージできるようになる
2.「筋肉の作用」もわかるようになる
3.「筋力トレーニング」が提案できる
4.「ストレッチ」が提案できる
5.どの方向へマッサージしたらかがわかる

といった、
一石二鳥どころか、三鳥、四鳥、五鳥
の利点があるので、ぜひ心を決めて
15種類+5種類
筋肉の「起始と停止」

を覚えることをおすすめします。


実際のマッサージ(強擦法)については
力だけでなく速度が重要で、
受ける方の姿勢もカギを握るのですが、
こればかりは実技でないと、説明できないので...

『解剖生理学編』は、
これにて、ひとまず終了で~す。


『東洋医学篇』は、しばらくしてから
掲載スタートしたいと思っています。
※納得できるお勧め本が見つからない...どうする?
自分でまとめるか?書くか?と検討中。
 

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