8.リンパ論はいったん封印しよう
アロマセラピストの技術を、
職人技までスキルアップする方法
⑧
『解剖生理学編:その4』
具体的な筋肉解剖へ進む前に、
私から一つ提案したいことがあります。
『詰まったリンパの流れを良くして・・・』
という、
リンパ論はいったん封印しませんか。
たしかにリンパ液の流れは大切です。
「汚れて詰まった流れをキレイすると
老廃物が流れて、身体が軽くなります♪」
と聞くと、とても爽快感がありますが、
実際のところ、人間はそこまで単純ではなく、
いろんな器官の共鳴で身体を動かしています。
説明しなれたフレーズに頼り切ってしまうと
もうそれ以上の新しい知識は入っていきません。
”リンパ論以外”で説明するならどうすればいいか
ということを考えるようにしましょう。
木を見て森を見ず。
ということにならないように、
大道の「生理学」に照らし合わせて、
リンパ液と血液の全体像を、
ここでギュッとまとめて簡単に説明します。
全身を循環する視点でみると経路は、
大きく分けて3つ
1.動脈(血液が出ていく経路)
2.静脈(血液が戻る経路)
3.リンパ管(リンパ液が戻る経路)
ここで重要なのは、
心臓から出ていくのは1経路(動脈)に対して、
全身から戻ってくるのは2経路(静脈とリンパ管)
ということです。
なぜ戻るときだけルートが2つ
あるのだと思いますか?
全身から戻ってくるときの体液には
各細胞から回収された二酸化炭素や、
老廃物が入っています。
2つあるルートのうち
「静脈」は心臓と直接つながっているため、
害がありそうな物質を
入れるわけにはいきません。
そこで闇ルート「リンパ管」の出番!
(笑)
静脈には入れられない怪しげなものを、
いったんリンパ管に入れて、流れを迂回させます。
リンパ管の途中には「リンパ節」という検問所が
多数あり、白血球が待ち構えているので、
異物だとわかれば、戦いが起こり処理されます。
感染症などでは、ウイルスvs.白血球の戦いで
たくさんのリンパ節が戦場と化し、腫れます。
お医者さんは、そんな腫れた首など触って、
体調を確認している...というわけです。
さて、
リンパ管は老廃物が流れている
と聞いてしまうと、
「むくみ」はリンパ節が詰まるからなんじゃないか
と思われてしまいそうですが、
ガンの手術でリンパ節を切除したり、
病気やケガでない限り
リンパ管が詰まってむくむなんてことは、
そうそう起きません。
全身から心臓方向へ戻る体液の比率は、
約9割が静脈
リンパ管は約1割程度です。
それに、検問所&処理場の役割をしている
リンパ節なので、
そうそう早く通過してもらっちゃ困るんです。
リンパ液は動脈のように
速くは流れない。
ゆっくり流れる必要がある。ゆっくりでOK。
では、管が詰まっているのでなければ
どうして「むくみ」がおきるのでしょう?
それは
体液を流すときの動力源である
筋肉のポンプ力が弱まっている
からです。
全身からもどってくる2経路(静脈・リンパ管)は、
どちらも筋肉のポンプ力を使って動いています。
筋肉に柔らかさがなくなり、
縮んで押し出すポンプ力が弱まると、
重力に逆らって体液をもどす
ことができなくなり、むくみが起きます。
ついつい
リンパ液の流れに意識が向きますが、
どちらかというと、全体の9割もある
静脈の流れの悪さの方が深刻。
さいわいにして、
静脈とリンパ管はとても近くにあるので、
その周辺の筋肉をアプローチすることで、
弾力が回復して、ポンプ力がアップします。
「むくみ」には
筋肉が関係している
ということを覚えておいてください。
病気と健康体を区別しよう
職人技までスキルアップする方法
⑧
『解剖生理学編:その4』
具体的な筋肉解剖へ進む前に、
私から一つ提案したいことがあります。
『詰まったリンパの流れを良くして・・・』
という、
リンパ論はいったん封印しませんか。
たしかにリンパ液の流れは大切です。
「汚れて詰まった流れをキレイすると
老廃物が流れて、身体が軽くなります♪」
と聞くと、とても爽快感がありますが、
実際のところ、人間はそこまで単純ではなく、
いろんな器官の共鳴で身体を動かしています。
説明しなれたフレーズに頼り切ってしまうと
もうそれ以上の新しい知識は入っていきません。
”リンパ論以外”で説明するならどうすればいいか
ということを考えるようにしましょう。
木を見て森を見ず。
ということにならないように、
大道の「生理学」に照らし合わせて、
リンパ液と血液の全体像を、
ここでギュッとまとめて簡単に説明します。
全身を循環する視点でみると経路は、
大きく分けて3つ
1.動脈(血液が出ていく経路)
2.静脈(血液が戻る経路)
3.リンパ管(リンパ液が戻る経路)
ここで重要なのは、
心臓から出ていくのは1経路(動脈)に対して、
全身から戻ってくるのは2経路(静脈とリンパ管)
ということです。
なぜ戻るときだけルートが2つ
あるのだと思いますか?
全身から戻ってくるときの体液には
各細胞から回収された二酸化炭素や、
老廃物が入っています。
2つあるルートのうち
「静脈」は心臓と直接つながっているため、
害がありそうな物質を
入れるわけにはいきません。
そこで闇ルート「リンパ管」の出番!
(笑)
静脈には入れられない怪しげなものを、
いったんリンパ管に入れて、流れを迂回させます。
リンパ管の途中には「リンパ節」という検問所が
多数あり、白血球が待ち構えているので、
異物だとわかれば、戦いが起こり処理されます。
感染症などでは、ウイルスvs.白血球の戦いで
たくさんのリンパ節が戦場と化し、腫れます。
お医者さんは、そんな腫れた首など触って、
体調を確認している...というわけです。
さて、
リンパ管は老廃物が流れている
と聞いてしまうと、
「むくみ」はリンパ節が詰まるからなんじゃないか
と思われてしまいそうですが、
ガンの手術でリンパ節を切除したり、
病気やケガでない限り
リンパ管が詰まってむくむなんてことは、
そうそう起きません。
全身から心臓方向へ戻る体液の比率は、
約9割が静脈
リンパ管は約1割程度です。
それに、検問所&処理場の役割をしている
リンパ節なので、
そうそう早く通過してもらっちゃ困るんです。
リンパ液は動脈のように
速くは流れない。
ゆっくり流れる必要がある。ゆっくりでOK。
では、管が詰まっているのでなければ
どうして「むくみ」がおきるのでしょう?
それは
体液を流すときの動力源である
筋肉のポンプ力が弱まっている
からです。
全身からもどってくる2経路(静脈・リンパ管)は、
どちらも筋肉のポンプ力を使って動いています。
筋肉に柔らかさがなくなり、
縮んで押し出すポンプ力が弱まると、
重力に逆らって体液をもどす
ことができなくなり、むくみが起きます。
ついつい
リンパ液の流れに意識が向きますが、
どちらかというと、全体の9割もある
静脈の流れの悪さの方が深刻。
さいわいにして、
静脈とリンパ管はとても近くにあるので、
その周辺の筋肉をアプローチすることで、
弾力が回復して、ポンプ力がアップします。
「むくみ」には
筋肉が関係している
ということを覚えておいてください。
病気と健康体を区別しよう
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