1.「精油選び」それだけで効く?

医療現場で感じる違和感
月に2回ほど心療内科・内科・小児科のクリニックで
医師とともにチーム医療の一員として
治療のためのアロマテラピーを行っています。
クリニックでのアロマテラピーは
ある意味アウェー感がある現場です。
アロマに興味はないけれど、医師にすすめられたから
という理由で受ける方も多くいらっしゃいます。
精油の効果は一部にすぎない

「アロマって、癒しじゃないの?」
「薬でも効かないのに、アロマで効くの?」
そんな半信半疑の患者さまに対して、
私は最初にこう伝えます。
「精油の効果は、ほんの一部です。」
というのも、
じっさいに効果をうみだすのメカニズムは、
「香り」や「精油成分」だけじゃなく、
アロマの基礎的な作用に、
施術の効果(トリートメント技術)を掛け合わせることで
はじめて効果として実感できるものになると
考えているからです。
アロマテラピーの基礎的な効果

1.香りの効果
嗅覚をかえして脳を刺激する効果です。
香りは、ストレスの影響をうけた視床下部
(ホルモン・自律神経・免疫の中枢)の働きを、
立て直す作用があります。
2.精油成分の効果
精油の成分には、少なからず効能が含まれています。
例えば、殺菌作用、鎮静作用、女性ホルモン様作用。
肌にぬって成分が血液循環に入ることでの効果です。
3.植物油の効果
精油と混ぜる植物油じたいにも効能が含まれていて、
例えば、スイートアーモンドはメラニン生成を促す
酵素の働きを阻害します。皮膚にぬっての効果です。
4.タッチングの効果
身体をやさしく「触れる」という行為にも効能があり
最近の研究で、不安やストレスを緩和するホルモンが
分泌され、痛みが緩和することが分かっています。
選ぶだけで差が出ない理由

ここまでの4つの基礎的な効果は、
材料を選ぶという行為なので、
基礎的な知識を学べば誰でも選択できる範囲のものです。
というか、
精油や植物油の選び方は、
既往症やアレルギーなどの禁忌を除いて、
施術を受ける方へ配慮したのであれば、
極端に言って、
大きな間違いは起きにくい。
だからこそ、
「好きそうな香り」
「効能が合いそうな精油」
を選ぶ、という流れになりやすいのです。
なぜ現場では通用しないのか

しかし、
香りの良さや、精油の効能を熱く説明しても、
心には響きません。
「だから、それって癒しじゃないですか?」
「医師にすすめられたのに、気休めってこと?」
半信半疑の気持ちが、より濃くなった表情。
へたすると不信感につながることもあります。
精油だけでは届かない理由
このように現場では、
精油の説明だけでは通用しない場面が多くあります。
では何が違うのか。
それは、
「状態を見て組み立てる視点」です。
この視点は、知識として覚えるだけではなく、
臨床の中で少しずつ身についていくものです。
次のステップとして必要な視点

状態を見ながら施術を組み立てていくプロセス
アロマを“選ぶ”から一歩進めて、
状態に応じて組み立てていく考え方は、
特別な技術ではなく、
本来は基礎の中で段階的に理解していくものです。
講座の中でも、こうした視点を
基礎から扱っています。
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