アロマセラピストの技術を、
職人技までスキルアップする方法
⑤
『解剖生理学編:その1』
まずは、
筋肉の役割 = 生理学
を覚えてしまいましょう。
生理学が持つ説得力は最強です。
なにせ、
人間の身体がどのように動いているか
という正道の説明ですから、
これを覚えて、
だれにでもわかりやすく
説明できるようになると、
説得力が増します。
施術を受ける方に向けて
「不調のメカニズム」「改善するためのメカニズム」
を説明することができるようになりましょう。
--------------------------------
<骨格筋の役割>
いろいろあるのですが、
ここは
重要な3つを覚えましょう。
1.運動・姿勢保持
筋肉はゴムのように弾力があります。
意識的に力を入れることで、縮む&硬くする
という性質を使って、身体を動かしています。
この役割がうまく働かなくなると、
筋肉がずっと縮んだまま →硬くなる
という状態になり、関節の可動域が狭くなる。
また、近接する神経や血管も、
一緒に巻き込んで縮むので、
痛みやしびれにも関与します。
2.体温の産生
体の中で、熱生産を1番している器官は、骨格筋。
筋を収縮して熱をつくり、そのときのエネルギー
約3/4を体温保持に使っています。
この役割がうまく働かなくなると、
自家発電ができない、ということなので、
身体が冷えやすくなります。
靴下を重ね着しても冷たいまま、
という人は、
自分で温める力(自家発電力)が弱い
ということです。
3.体液循環を助けるポンプ作用
筋は縮むついでに、近くの血管やリンパ管
の壁をぎゅ!ぎゅ!と押します。
それが血液やリンパ液を押し流す原動力
ポンプ力となっています。
この役割がうまく働かなくなると
心臓へ戻る血液やリンパ液の流れが悪くなるので、
むくみやすくなります。
また、内臓への血液循環も停滞ぎみになるので
臓器の働きが鈍くなり、
腹痛や疲労につながります。
--------------------------------------------------
上記3つが、代表的な筋肉の役割です。
とくに重要なのは、
「体温をつくる」
「循環のポンプ力」
という筋肉の仕事です。
「冷え」「むくみ」と筋肉の関係
を結びつけて覚えてしまうこと。
不思議なもので
勉強したことがあっても、なぜだか
ちまたにある「リンパの流れを良くして...」
というような健康説に洗脳される人が多く
プロでも忘れていることが多いんです(笑)
手足が冷える、むくみ感があるという悩み
を聞いたら、
筋肉の状態はどうかな?
と発想できるようにしておくのが大切です。
(※病的な冷えやむくみは対象外)
次へ
6.連鎖を覚えると鉄板トークになる
アロマセラピストの技術を
職人技までスキルアップする方法
<目次>
はじめに
1.
「精油選び」それだけで効く?
2.
精油だけでは限界がある
3.
アロマ以外に必要なスキル
4.
解剖学と東洋医学のメリット
『解剖生理学編』
5.
生理学が持つ説得力は最強!
6.
連鎖を覚えると鉄板トークになる
7.
コリと実際の硬さは一致しない
8.
リンパ論はいったん封印しよう
9.
病気と健康体を区別しよう
10.
解剖学はこの本で学べ
11.
覚えるべき筋肉は、これだ!
12.
筋肉の覚え方のコツ
13.
起始と停止で「動き」がわかる
14.
起始と停止で「運動療法」もわかる
15.
起始と停止で「マッサージ」もわかる